水溜まり。

日々思ったことを書いてみる

音楽には新しいも古いもない。

音楽には新しいも古いもない。と考えてみる。

 

僕は1982年生まれでどちらかというと90年代の音楽が世代。

なので、僕は80年代以前の音楽を聴くとなったら古い音楽と感じる。

 

しかし、それは古いという印象をつけられているだけで自分個人にとっては「聴いたことがない音楽」なのだから本当は新しい音楽なのだと思う。

古い曲は音質が悪いが、それは悪いのではなく「その時代の音質」なわけであって、人によってはその音質が心地よいものだったりするのだと思う。

むしろその音質というのはその時代にしかだせない。

もちろん限りなく近くは再現できるのだろうけど、当時使っていた機器は今にはないのだからその音質は正確に再現できない。

キングクリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」なんか聞くとちょっとこもった感じで古めかしいとは思うものの、この音質を今出すのは難しいと思う。

当時は技術がないので選択肢がないというものあるけど、今はその選択肢はあるもののその音質を選ばない。選ばないというか選べない。

現代の一般的な趣向に合わないからその音質を使わない。

つまり結果的にこの音質で音楽を聴けるのは当時の音楽だけということになる。

 

こんな思考実験をしてみる。

生まれてから今の時代だけの音楽を聴いて、古い音楽を全く聴かず、今ある音楽だけが全てだという状態で古い音楽を聴かせたらその人はどんな反応をするのだろう?

「これは古い曲だ」という反応になるのだろうか?

それとも「なんだか斬新な曲だ」という反応になるのだろうか?

 

海外の人は日本の音楽の新しい古いがわからないから、「古い音楽」という印象が少ない人たちなのだと思う。

音質とかで多少わかるのだろうけど。

最近のシティポップが海外で盛り上がっているのはあちら側からしたら今までに聴いたことない斬新さがあるのかもしれない。

レコードという存在もしらない民族であれば古い音質、新しい音質という概念もないので、「お富さん」を聞かせてもYOASOBIの「アイドル」を聞かせてもどちらも「斬新な曲だ」になるんじゃないかと思う。

 

以降は余談。

「お富さん」という曲があるが僕はその曲を聞いたのは夏祭りの盆踊りの時だった。

僕はこの曲が好きだった。

ただ、この曲は昔からあるという印象が強くあり、僕にとってなんとなく江戸時代からあるものだと思っていた。

当然そんなわけはないのだが、後にいつ作曲されたものかを知って驚いた。

明治でも大正でもなく、昭和初期(1954年)なのだ。

なので「お富さん」は昭和の歌と知った時は驚いたものだ。

そもそも演歌もなんとなく明治時代、大正時代にあったんだろうなというイメージだったのだが、1960年代半ばくらいにできたもので「お富さん」よりも新しいジャンルなのである。

これを知って僕は自分の聴いていた世代より前の物は古い、自分の聴いていた世代より後の物は新しいというものすごくざっくりした区切りをしていることが分かった。

そいうのを知っていくともっと面白いかもしれない。